2005年5月某日、スペインの木造帆船ビクトリア号を見てきました。(スペイン語では"V"は"B"の発音になるので"Victoria"は「ビクトリア」です。)16世紀初頭、マゼランとともにセビリアから出航し、世界初の世界一周を成し遂げたビクトリア号を、そっくりそのまま(ただし、機関付きで)復元したものです。
今回一緒に行ったのはARCのメンバーで、総勢9人。賑やかな見学となりました。
ビクトリア号の勇姿は、 「ゆりかもめ」の「国際展示場正門」駅からすでに小さく見えました。遠くにあるから小さいのかと思っていたら・・・近づいてもこんなに小さい。

乗船して、スペイン人乗組員の姿を見たとたん、スペイン語を勉強しておかなかったことを後悔しました。次回(!)のために、今から勉強しておこうかな(←かなり本気)
言葉の壁があったため、ほんのちょっとの間だけおとなしくしていた(笑)私たちですが、通訳の人がいるのに気づいたとたん、その本領を発揮し始めました。

「今回、この船には何人乗っているんですか」
「昨年10月に出発したときは22人いました。現在は15人か・・・16人です」
反射的に私の口をついて出たのは
「えっ、7人も死んじゃったの?!」
初めて会った土人に、いきなりそんな口きいちゃいかんぜよ>自分
でも、何も言わなかった他の人たちも、「壊血病でハエのようにばたばた死ぬ船乗りたちの図」を連想したに違いない、と私は睨んでいます。

ちなみに、右→はお約束(?!)のキャプスタン。

どうやって展帆するの?

船内ではビデオが放映されていて、帆に風をはらんで大海原を疾走するビクトリア号の姿を見ることができました。 でも、展帆作業の場面が無かったのが残念。 普通だったら足がかりのためのロープがヤードの下にあるのに、この船には無いので、ヤードをまたがって移動するというのです。その場面を見たかったのに・・・。
展帆するときは、みんな大忙しで、撮影どころじゃないのかもね。

↓船尾の艦長室↓は、いかにもという雰囲気にディスプレイされていました。机の脇に置いてあるのは六分儀ではなくて、四分儀だそうです。

甲冑がディスプレイされている 羽ペンの向こうの赤いのが四分儀

後尾甲板は高く反り返っていて、とても見晴らしが良いので、実に爽快です。 でも、こんなに高くていいのだろうか? よっぽどバラストを重くしないと、バランスが取れないだろう。。。というわけで、またもや通訳氏のもとへ。 「バラストは鉛とセメントである」という回答を得ました。

びっくりしたのは舵。舵輪でなくて、舵棒なんです。甲板から突き出た高さは1メートル半ぐらいだったでしょうか。 和船の櫂みたいな感じ。でも、重さは比べものにならないことでしょう。1人で動かせるものなのでしょうか? このあたりのこと、質問するのを忘れました。写真も撮りそびれました(涙)

お約束(?!)のビレーピン
ビクトリア号のパンフレット
帆の拡大図

実を言うと、 私が一番興味をそそられたのは、帆の模様でした。
通訳氏に訊いたところ、帆の模様が表しているのは「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」なのだそうです。マゼランの船団の5隻の船の帆には、それぞれ違った模様が描かれていて、この船はサンティアゴ(聖ヤコブ)なのだとか。
私はさらなる疑問にとらわれました。
いったいなぜ聖ヤコブなの? 聖ヤコブの名を持つ船、つまりサンティアゴ号はちゃんと別にあるのに。

考えてみれば、サンティアゴ号を始めとする他の船---サンアントニオ(聖アントニオ)、トリニダード(=三位一体)、コンセプシオン(=受胎)---はみんな聖書やキリスト教がらみの名前です。 「勝利」を意味する普通の名詞を名に持つビクトリアだけが世界一周を果たした、というのは、ちょっと皮肉な感じがしないでもない。それとも、この「勝利」にも、キリスト教的な意味合いがこめられているの でしょうか?

「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の十字架について、詳細を知りたい方はこちらをお読みください。

最後の最後、私たちは一番知りたかったことを訊きました。
それは「スペイン語で『アホイ!』は何と言うのか?」 
アホですねー!
その答えは、「アッ、デルバルコ」という、みょーに長ったらしいものでした。
スペイン語の「アホイ」と、そこからの脱線話に興味のお有りの方はこちらをお読みください。

錨。揚げたり降ろしたりするのが大変なので
なるべく使わないようにしている!のだそうだ。

私たちは「この古さがいいねえ、小ささがいいねえ」と言いながら、公開終了の5時半まで、2時間も船上で海風に吹かれていました。

前部甲板の下から見上げる

「このぐらいの大きさだったら、自分の力でもなんとかなりそうだという気がする」
「ARCの会員が20〜30人集まったら、帆走できるんじゃないか」
などという声も聞こえましたが、私はひとり、心の中で「いやー、そりゃないでしょう、いくらARC会員と言えども、私みたいな人間ばかりだったら何十人集めたってダメだわ〜」と、突っ込みを入れておりました。(^^;

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