2004年7月某日、 日本丸を見学しました。 「帆船ってス・テ・キ♪」の域を一歩も出ない私のおちゃらけリポートでは、 何が何だかわからないので、船がわかる女・サグレスさんのまともなリポートもご紹介します。 2つ併せてお楽しみください。

Foggy Scillyのリポート

つぶれたクリームパン@ゆきみさん、 サグレスさん、leiraniさん、私の4人は、 船の科学館前で、 船乗りの卵であるSくん・Yくんと落ち合いました。 Sくんはつぶクリさんの甥御さんで、Yくんは彼のお友達。 若者たちのりりしい制服・制帽姿に、 オバサンたちは早くも過熱気味。 遠くに日本丸が見えただけで、すっかり「きゃ〜きゃ〜」モードです。

ゲートを開けてもらう
乗船許可証を首にぶらさげる

乗船して、甲板を見学。 カバーがかけられているけれど、これはキャプスタンよね?
「キャプスタンです」
そう言いながら、カバーを外してくれるSくん。 外したカバーを、またかけて、端のひもを結ぶとき、 どんな結び方をするのかと彼の手元を注目していたら、、、普通の蝶結びでした(^^;)

キャプスタン


これで敵を殴る?
「キャプスタンを使うときは、あそこにたてかけてあるのを取り付けるんですよ」
見ると、太い木製の棒状のものが。
ふむ、戦闘のときは、これで敵をぶん殴るのね・・・って、どうしてこういう連想しか働かないのかね私は。

と、 つぶクリさんの 澄んだ朗らかな声が聞こえてきます。
「フライング・デッキって、飛ぶからそういう名前なの?」
「そうです。飛ぶんです」
「えっ、どんなとき?」
「船が沈むとき」
つぶクリさん絶句の模様。


これで時を告げる

六分儀の入った箱がずらりと並ぶ部屋を覗き、 時刻(「八点鐘」とか)を告げる鐘や、 金色に輝く舵輪を見て、船内へ。

船内では、SくんとYくんの 部屋(8人部屋)まで厚かましく入り込んでしまいました。 Sくんのベッドに寝た大胆不敵なオバサンも約1名おりましたが、 名前は伏せておきますね(笑)

その後、 普通は見ることのできない、厨房や士官食堂、さらに船長室を見せてもらい、さらに冷蔵庫・冷凍庫(!)に入らせてもらいました。

Sくん・Yくんの部屋でくつろぐ私たち
Sくんのベッドは二段ベッドの下段

このあたりで森帆さんが到着。早速、
「きゃ〜きゃ〜言ってるばかりじゃなくて、 まともな質問をしなくてはいけない」
と諭されてしまいましたが、 まともな質問をするためには、 基礎知識が必要なのです(汗)。 で、結局、私たちは
「あの上に見張りが登って『島が見えたぞ〜』ってやるの?」
「返事をするときは、やっぱりアイ・アイ・サーって言うの?」
などという、オバカな質問に終始してしまったのでした。(あっ、もちろんサグレスさんはオバカ組とは別です。)注1

実習生の食堂の書棚の、小説本の棚をチェックすると、さすがに船に関するものの比率が高い。なのに、ランサムは1冊もありません(涙)。「ハリポタ」は あるのにぃ。 「サガ、寄付するために持ってくればよかった」と言い合いましたが、 手元に余分があるわけでもないので、たとえ前もってわかっていても、 持っていけたわけではなかったのでした。 そうそう、「マスター&コマンダー(正確に言うと「ジャック・オーブリー・シリーズ)」の旧版がありました!

その後、もう1度甲板を一巡りしました。 さっきは外から覗いただけだった、 操舵室に入れてもらい、 いろんなことを詳しく説明してもらいました。 (こんな言い方しかできない私って・・・(恥))

揚錨機の向こうは予備の錨
舵輪(の下のモーターも見せてもらいました)
さらば日本丸

その後は、Sくん、Yくんと一緒に夕食に。 軍艦に対する熱い思いをとうとうと語るSくんを眺めて、 うんうん、と、何もわからないままうなずきつつ、若いっていいなぁ・・・と感慨に浸る私。
一方、Yくんの方は、もともと海の生物が大好きだったという話になり、その瞬間、Yくんと博物学者・サグレスさんとの間に ビビビと電流が走ったのが見えました。 もしかしたら、これが昨日の最大の感動シーンだったかも。。。おい、船のリポートのシメがこれかい!(自爆)

サグレスさんのリポート

見えた!

現在の日本丸は20年前に浦賀で建造された船で、案内役の若者たちと同い年の美人です。4本マストのバーケンチン、遠目で見ても素敵ですが、 近づくにつれ、堂々たる美しさに圧倒されました。帆を張ったらさぞや素晴らしいことでしょう。

大型帆船に乗ってまず目につくのは、甲板のあちこちに掛けられている無数のロープなのですが、今回初めて、これらのすべてのロープが、どのマストのどの帆のどこに使うものか決まっているのだということを、教えてもらいました。一つ一つ覚えるのも大変そうです。

思わず手で触りたくなるようなきれいな白木の甲板は、実習生たちがせっせと磨いているのだそうで、磨くのには半分に割ったココヤシの殻と石を使っています。

この石で甲板を磨く
「海出る」によると、海図は面白いものらしい

操舵室は2カ所あり、機関を使う時には前部甲板の操舵室を、帆走する時には船尾の巨大な舵輪を使います。舵輪は元々船尾にあるものですが、それだけでなく、帆走の時には船尾からすべての帆を見渡しながら操船しないとならないとのことでした。

操舵室の中にはチャート(海図)を広げるテーブルがあり、水深探知機やジャイロコンパス、風力・風向計など、さまざまな機械もありました。

マストに乗っかって「陸が見えたぞ〜」というのは、もうやらないのだそうですが(「レーダーがあるでしょ!」と失笑されました・・・)、帆走する時は船首に見張りを置き、船尾の操舵室までの何カ所かに人を配置し、指令を伝言するとのことでした。まさに「マスター&コマンダー」の世界ですね。

ずらりと並んだ六分儀の箱

一般公開では見せないような、船の中まで案内してもらい、我々ランサマイトは大喜びでした。丁度厨房にいらした司厨長のご好意で、厨房内(すべて電気、 ガスは使いません)や士官食堂(実習生の食堂とは雲泥の差の美しさ!)、巨大な冷蔵庫や冷凍庫の中まで見せていただき、「これが160人の船乗りの胃袋 を満たす場所か」と感慨深かったです。

厨房
何を計る機械なのかな
ハーネスはこうやって装着する

実習生の教室件食堂の本棚には、理科年表やファインマンの物理学の他、パッキングについての本(あちこち水密にする必要がありますものね)や、船体力学の本、海事六法など、普段見ないような本が色々ありました。

高いところはやっぱり怖いそうです

船尾の甲板下では、巨大な舵の心棒と、その舵を動かすモーターも見せてもらいました。実習生用に、日本語と英語で説明書きが付いていたのですけれど、日本語の方を読んでも、専門用語だらけで理解不能でした。 船乗りの勉強も大変です。ここには他に、「予備チーク材」なんていう札の付いた材木があったりして、「おぉぉ、船大工が使ったりするんだろーか」とワクワクしました。やっぱり大砲でぶっ壊された所を補習したり・・・、って、ついつい妄想の世界に・・・。

ちなみに日本丸は、帆走だけだと19ノット(1ノット=1海里/時=1.85km/時)くらい出ることもあるそうです。船の場合は、水の抵抗があるので、これはかなりの速さです。日本の大型帆船の今までの最速記録は、海王丸(だったかな^_^;)がうち立てたもので、24ノット。台風の最中、総帆を一杯に張って突っ走ったのだそうで、その時の船長(商船大の教官)は「伝説の船長」として語り伝えられているとのことでした。

帰り道、つくづく考えたのですが、練習船としてなぜ帆船が生き残ってきたのか、分かるような気がしました。あの膨大なロープと帆を操り、風の向きと強さを生かして航海するには、頭と手と身体を一度に働かせなければなりません。 いざという時にもたもたせず、的確な判断を下しつつ身体が自然に動くようになるためには、非常に良い訓練ではないかと思いました。

そうそう、かおるさんが書いておられるとおり、私はこの日、本物のブレイクニーくん注2を見つけてしまったんです! タンカー乗りになるかもしれないとな・・・。そーかそーか、外国の港へ行くんだね。生物は面白いよ〜、面白いよ〜。本物の船乗りと一緒に共同研究できたら、いいだろうなぁ(妄想爆発!)。


注1: leiraniさんがご自身のブログの「帆船!」カテゴリーにアップなさっている日本丸リポートを拝見すると、 leiraniさんもサグレスさん同様、オバカ組ではなかったことがわかります。 leiraniさん、同じ組扱いしてごめんなさい。

注2: ブレイクニーくんをご存知ない方は、 映画「マスター&コマンダー」をご覧ください。 素晴らしい映画です。特に 帆船好きには超お薦め。




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