1998年夏、ブルガリア、ギリシャと廻った私の旅の「上がり」はトルコのイスタンブールだった。
ギリシャのサモス島で、私と逆コースでトルコから渡ってきた日本人の女の子に、トルコはどうだったかと尋ねると、一言「うざったいところだったよ」。
たとえば、 夜行バスで隣り合わせた女性。とても優しかった。お互いに話をしたくて、もっとトルコ語を勉強しておけばよかったと心底後悔した。 カッパドキアのギョレメ村で畑仕事をしていたおばあさんは、手をとめて「ジャポン、むにゃむにゃ」と一生懸命話しかけてくれた。その目もとても優しかった。 さて、 そのギョレメ発のイスタンブール行き夜行バスは、何の問題もなく定刻にイスタンブールのバスターミナルに到着した。 かねてからの予定通り、旧市街に向かう。ガイドブックであたりをつけていたホテルに行ってみると、最初のホテルは満室だったが、2番目のホテルはあいていた。 とてもきれいな部屋は、久しぶりのバス・トイレ付き。 シャワーを浴びてすっきりして、いよいよイスタンブール観光開始。オスマントルコの文化遺産がごちゃまんとあると思うと、期待で心が躍る。 ルンルン気分でホテルの外に出ると、男性がやたらに声をかけてくる。うー、うざったいよー。今までもうざったかったけれど、ここのうざったさは尋常じゃない。 うざい思いをしながらも、アヤソフィアとブルーモスクと地下宮殿という定番コースをスイスイとこなした私は、一番楽しみにしていた場所に向かうことにした。 旅行前のことだった。 |
「コンニチハ!」
と思ったのは、甘かった。
奴は2人分のお茶代を払ってカフェから出ていった。 こうして、 「イスタンブールのガーデンカフェでまったりする」という私の夢は、もろくも破れたのであった。
私は落胆し、ホテルの部屋に戻った。 ここまで弱気になってしまったのは、ひとつには、肉体的にかなり疲れていたということもあったのだろう。 私はベッドに倒れ込み、眠りに落ちた。 * * * * * * * * * * ぱせりさんのコメント: 私も1人で行ったんですが、確かに、スルタンアフメットの男はしつこかったです(笑)。でも、友達に「フィアンセがホテルで待ってるから」と言うといい、と教わったので、そう言ったら結構引き下がりました。(まあ、それでもしつこいのもいたけど) かおるのコメント: トルコに行った当時は知らなかったのですが、イスラムの男性は、 「ひとの女」には手を出さないのだそうな。だから、結婚指輪のフェイクを左手の薬指にはめていくというのも有効かも。 よかったら実験してみてください。 |