私がヨーロッパで見たもの

夕方の市民公園。 奥に進むにつれ、 子供の歓声が聞こえてくる。 その声に引き寄せられるようにさらに進むと、 小さな遊園地があり、 人々が夕涼みがてら集まっていた。

こじゃれた観光地・ タオルミーナの素顔がそこにあった。 はからずも地元の人々の日々の暮しの真っ只中に飛びこんでしまった 私は不思議な幸福感に酔いしれるのだった。

サルデーニャの山越えをしていたときのこと。山の中でバスが停車した。 運転手がペットボトルを片手に降りて行く。 「ん？」と思って窓から外を見ると "FONTANA"（泉）という小さな立て札が。

ペットボトルを手に、 慌てて運転手のあとを追うと、石垣で囲まれた水汲み場があった。 そこには、なんと幸運なことだろう、こんなに素敵な先客がいたのである。